ブラジル産プロポリスの二種類による喫煙に対する肺機能改善と抗酸化効果

2007年 医学と生物学

  • 鈴鹿医療科学大学大学院保健衛生学研究科 具 然和
  • (有)アマゾンフード   堤 重敏
  • State Univeresity of Campinas, College of Food Engineering(UNICAMP), Department of Food Science, Laboratory of Food Biochemistry, SP, Brazil
    Yong K. PARK

【要 旨】

本研究では、ブラジル産プロポリスの二種類を用いて喫煙に対する肺機能改善と抗酸化効果について比較検討を行った。250mg/kg のプロポリスを2週間以上ICRマウスに経口投与した。特殊な空気コントロール飼育環境の中で煙草の煙を吸わせ、その比較検討を行った。観察項目として血液検査、尿検査、肺組織学的実験、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)様活性、2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(AAPH)法で測定などによる抗酸化作用を調べた。抗酸化活性では、プロポリス投与により、抗酸化作用が確認された。SOD様活性による抗酸化活性では、Control群に比べ、プロポリス投与群に有意差があり、阻害率が高くなった。また、AAPH法によるプロポリスの抗酸化作用も認められた。さらに、血液検査においても肺の機能亢進が認められた。肺組織学的実験においても、プロポリス投与群に組織学的な機能改善が認められた。プロポリスの有効成分であるフラボノイド類の抗酸化作用とアルテピリンCなどによる体内のSOD様活性により、抗酸化効果が考えられる。また、プロポリスの乳酸脱水素酵素やその他の脱水素酵素の活性を下げ、一方でカタラーゼの活性度を上げながら細胞におけるストレスが改善されたと考えられる。