ブラジル産プロポリスのメタボリックシンドローム予防効果

2011年 日本薬学会

  • 日本大学薬学部
    津田有梨香,野伏康仁,榛葉繁紀,安川 憲
  • (有)アマゾンフード  堤 淳子,堤 重敏
  • 九州保険福祉大学 薬学部 薬学科 黒川昌彦

【目的】

メタボリックシンドローム人口の増加は著しく、その予防が重要である。
内臓脂肪型肥満・食後高血糖の抑制は、これらの進行を早期に抑える事に効果的である。そこで、9種のブラジル産プロポリスについて、α-glucosidase阻害活性試験、マウス経口スクロース負荷試験と3T3-Ll脂肪細胞を用いた脂肪蓄積試験、アディポネクチン放出試験を行い、メタボリックシンドローム予防効果を検討した。

【方法】

α-glucosidase(ラット小腸由来)阻害活性試験:各プロポリスエキスを96well Microplateに分注した後、基質液(0.88mM p-nitrophenyl α-D-glucopyranoside)を加え37度Cで3分間、酵素溶液を添加後さらに60分間インキュベー卜した後、Na2CO3を加え反応停止させ、405 nmの吸光度を測定し阻害率を算出した。
経口スクロース負荷試験:前日より絶食させたマウスの空腹時血糖を測定し、名プロポリスを2%アラビアゴム溶液に懸濁し胃ゾンデで経口投与し、10分後にSucrose(1g/kg)を経口投与し、15,30,45分後の血糖値を測定した。
上記ともにポジティブコントロールにはAcarboseを用いた。脂肪蓄積試験:3T3-L1を分化誘導2日後よりプロポリスエキス添加培地で培養し、リピットアッセイキットを用い、脂肪細胞内に蓄積した脂肪滴の割合を比較した。
アディポネクチン放出試験:マウス・ラットアディポネクチンELISAキットを用いて脂肪細胞培養液中に放出されたアディポネタチン量を測定した。

【結果・結論】

今回実験を行ったプロポリスは蜂が採取する植物の種類によってα-glucosidase阻害活性が異なることが認められ、全て1.0 mg/mLの濃度で有意な活性抑制が認められた。特にAF-06、AFG-06が強い阻害活性を示した。脂肪蓄積試験においても、プロポリスの種類により蓄積の程度が異なることが認められた。