ブラジル産プロポリスの糖尿病予防効果に関する研究

2009年 セルフメディケーション

  • 日本大学 薬学部 津田有梨香, 安川 憲
  • (有)アマゾンフード  堤 淳子,  堤 重敏

【目的】

近年、メタポリックシンドロームは増加の一途をたどり、その予防が重要となっている。
この中でも特に糖尿病は増加傾向にあり、予備軍と言われる人の発病を防ぐことは重要な課題の一つである。糖尿病の初期では食後にのみ認められる高血糖も、やがて空腹時血糖の上昇へと悪化し糖尿病が発病する。この糖尿病の前段階といえる食後過血糖を、コントロールすることが非常に重要である。そこで、食後過血糖に焦点を当て8種類のブラジル産プロポリスについて、in vitroでのα−グルコダーゼ阻害活性を指標として糖尿病の予防効果を検討した。

【方法】

α−グルコシダーゼ(ラット小腸由来)阻害活性試験:各プロポリスのアルコール抽出エキス10μLを分注したのち、基質液(0.88mM p nitrophenyl α−Dglucopyranoside)170μLを加え37度Cで3分間インキュべ−卜し、酵素溶液50μLを添加後37度Cで60分間インキュベ−卜したのち、1.68MNa2CO3 50μLを加え反応停止させ、405nmの吸光度を測定し阻害率を算出した。コントロールにはDMSO、ポジティブコントロールにはアカルポースを使用した。

【結果】

今回実験を行った8種類のプロポリスは全て1.Omg/mLの濃度で、α-グルコシダーゼ活性を有意に抑制することが認められた(P<0.05)。特に、AF-18およびAFG-06が強い阻害活性を示した。

【考察】

プロポリスは、ハチが採取する植物の種類によって分類されている。今回、その種類によってα-グルコシダーゼ阻害活性が異なることが認められた。今後、in vitroでの実験を行い、プロポリスが糖尿病の予防に効果があるかさらに検討する予定である。