3次元HPLCを用いた市販ブラジル産プロポリスの測定

2011年 日本薬学会

  • 日本大学薬学部
    野伏康仁,榛葉繁紀,安川 憲
  • (有)アマゾンフード  岡崎 裕三,堤 淳子,堤 重敏
  • 九州保険福祉大学 薬学部 薬学科 黒川昌彦

 

【目的】

多種多様な成分が含まれるプロポリスは、抗菌・抗炎症・抗腫瘍・抗ウイルス・抗酸化作用など様々な生物活性を有しており、健康増進や病気の予防のためにサプリメント等の健康志向食品として広く利用されている。プロポリスの種類は豊富でブラジルだけでも500種類以上存在し、産地や基源植物、採集時期により含有成分・含有比が異なることが知られている。含有成分・含有比が異なれば期待される効果に差が生じるため、プロポリスに含まれる成分を分析することが重要である。そこでフォトダイオードアレイ(PDA)検出器を用い、簡便かつ選択的に市販ブラジル産プロポリスの3次元HPLCパターン分析を行った。

【方法】

市販されている12種類のブラジル産プロポリス液を用いて行った。プロポリス液は乾燥した後、それぞれ20mg/mLになるようにメタノールで溶解し調製した。HPLC装置には、日本分光(株)製LC-2000Plusシリーズ、検出器はMD-2015PDA(日本分光(株)製)を用いた。検出波長は200-500nmを採用した。カラムにはMightysil Rp-18 GPⅡ column(250mmx4.6mm,5.0μm,KANTO CHEMICAL CO. INC.)を40℃で用いた。移動相は、移動相A:0.5%酢酸、移動相B:アセトニトリルを用いてグラジエント溶離した。流速はl.0mL/min、注入量は10μLとした。

【結果及び考察】

ブラジル産プロポリスにはアルテピリンCが豊富に含まれると報告されているグリーンプロポリスがある。今回、グリーンプロポリスと表示しているプロポリス中にアルテピリンCがごくわずかしか含まれない商品が存在した。また、3次元HLCパターンにも違いが見られた。プロポリスは数多くの種類が市販されていることから、品質管理をする上で分析評価が重要であると考えられる